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TANZANIA便り2002.12+2003.11

*この便りはトロワ・タンザニアのMUNAWARさんからのものです。
MUNAWARさんはザンジバルに住む30代の女性です。MUNAWARさんへのメールは
こちらまで


便り53 コーヒー農家の喜び(ハリディ親子に聞きました)(2002.12.19)
便り54 ブコバの珈琲文化3.兄弟仁義(2003.1.3)


便り53 コーヒー農家の喜び(ハリディ親子に聞きました)

ジャンボ!
アフリカフェフレンドの皆さん、お元気ですか?
今日は、久しぶりにアフリカフェの故郷ブコバの話をしましょう。

アフリカフェの故郷ブコバは、大規模農園ではなく、家族単位の小規模農家の集合体。コーヒーの収穫時には、家族総出で摘み取り作業にいそしみ、赤い実だけを1粒1粒丁寧に摘み取ります。

コーヒーは定植から2、3年後にならないと実を付けません。一度実を付け出せば、1本の木で30年以上収穫があるという息の長い木ですが、とにかくデリケートな木なので、初めて実を付けるところまで育てるのが一番大変です。



ハリディさん(62歳)とカファンさん(26歳)は、親子でコーヒー農園を営んでいます。

親子の日常は、毎朝、日の出前に起き、お祈りをすませたら、ゆでコーヒーの実を数粒口に入れて、まずお父さんのハリディさんは農園に。このゆでコーヒーを口に入れると、「一日始まった! さあ、仕事だ」と感じるのだそうです。息子のカファンさんは牛の餌やりをすませてから農園に。

朝の一仕事を終えて、家に帰って朝食。そしてまた農園へ。

「コーヒーの収穫自体は1年に1回だけど、コーヒーを育てるには毎日目と手をかけてやらないといけないんだよ」
「干草敷き、堆肥作りに加えて、葉や枝が密集しすぎていないか、枝が高く伸びすぎていないか、毎日やることはいくらでもあるさ」
とは父親のハリディさん。

つやつやと美しい緑の葉を付けた、まだ50cmにも満たない小さなコーヒーの木が150本、見晴らしのいい高台に整然と植えられたハリディ親子の農園を歩きながら
「これは、定植して半年ぐらい。この小さな木も、あと2年もすれば実を付けるようになる。でも、初めは1本の木から、両手に1杯分ぐらいの実が取れたらいい方だよ。4、5年たって、やっと1本の木から5キロの実が収穫できるかなっていうところさ。
そこまでにうまく育てるのが勝負だね。人間の子供だって、小さいうちにちゃんと手をかけてやれば、丈夫に育つ。コーヒーだって、それと同じさ」
というハリディさんの説明を聞いていたら、目の前の小さなコーヒーの木たちが、無心に遊ぶ子供の姿に見えてきて、「未来」という言葉が浮かんできました。

「一番嬉しい時はどんな時ですか?」
と聞くと、ハリディさんは笑ってこう答えました。
「収穫したコーヒーを売る日に決まっているさ。1年で1度、まとまった現金が入る日だからね。我が家ではその日は、年に一度のピラウ(肉やジャガイモの炊き込み御飯)を食べることにしているんだ。
そして、その食事の前に、家族全員に、今日コーヒーを売ったことを報告するんだ。これは、我が家の恒例行事だね」

ハリディ親子は、このコーヒー園だけでなく、別の場所に200本と500本のコーヒーが植わっている農園を持っています。普段の労働力は家族だけ。収穫時になると、近所の人たちと一緒に今日はこの農園、明日はあそこと、共同で摘み取り作業をするのだそうです。



「これは私の祖父の時代からある木だよ」
「これは私がまだ小さい頃に、親父と一緒に植えた木だよ」
と、たくさん実を付けたコーヒーの木の間を歩きながら説明してくれる、ハリディさんの優しい眼が印象的でした。

終始寡黙だった息子のカファンさんに、
「お父さんからどうやって仕事を習ったのですか?」
と質問すると
「仕事なんて、何も教わらなくたって、親父を見てれば覚えるさ。親父の生活をまねしていれば、俺がやらなきゃならないことが何なのか、自然にわかってくるからね」

さらに、
「カファンさんがやらなくてはならないことって何ですか?」
と聞くと、
「親父が親から継いだコーヒー農園を大事に守ってきたように、俺もこの土地を守りつづけ、いつかもっと多くのコーヒーの木と共に、自分の子供に渡すことさ」
という答え。

今日私が見た小さなコーヒーの木が立派な成木に育ち、10年、20年と実を付け続ける様を愛しそうに眺めながら
「これはお父さんが、お前のおじいさんと一緒に植えた木だよ」
と我が子に説明するカファンさんの姿を想像していたら、ほかほかとした気持ちになってきました。

「日常の楽しみは何ですか?」
との質問には、親子揃って同じ答えが返ってきました。
「夕方仕事を終えて、近所の人と外でコーヒーを飲みながらラジオを聞くこと」

コーヒーに始まり、コーヒーに終わるブコバの生活。今も、そしてこれからもコーヒーとともに生きる人々の姿がここにあります。アフリカフェは、こんなにもコーヒーを愛する人々のもとで育ちました。

ということで、今日は、アフリカフェの故郷、ブコバの人々の日常を綴ってみました。

それでは、来年までお元気で。よいお年をお迎えください。

GOOD LUCK!!
ムナワルより

便り54 ブコバの珈琲文化3.兄弟仁義

新年明けましておめでとうございます。

2003年が始まりましたね。アフリカフェフレンドの皆さんは、どんなスタートを切りましたか? 私の方は、今年も、真夏のザンジバルで元気に新年を迎えました。

さて今年初めのタンザニア便りは、アフリカフェの故郷、ブコバの珈琲文化シリーズ第3弾と称し、ブコバ地方特有の、コーヒーを使った儀式についてお話しましょう。

日本でも昔から本当に親しい男性同士「俺とお前は今日から義兄弟だ」と約束を交わすことがありますね。
その際、兄弟の契りの儀式に欠かせないのは酒ですが、ブコバではコーヒー、しかも、私たちが普段飲むような液体のコーヒーではなく、脱穀もされていない実をゆでただけ、文字どおり「ゆでコーヒーの実」(便り40)です。

それにしても、なぜコーヒーの実が契りの儀式に選ばれたのでしょう。

それは、コーヒーの実の形が大きな要素となっています。コーヒーの実は、薄皮の中に、固い白い実が向き合って2つ、必ず対になって入っており、その様子を人間関係にあてはめて、2粒で1つの実を形成しているコーヒーの実のように、これからは、私とあなたは常に一心同体でいようという意味の象徴としてコーヒーの実が使われるそうです。



さて、このブコバに伝わる兄弟の契りの儀式ですが、現在77歳で、大工の棟梁をしているミカエルさんに聞いた儀式の内容をお伝えしましょう。ミカエルさんは、30年前、47歳の時に、昔からの幼馴染だったカタバルキさんと、兄弟の契りを結んだそうです。

各ファミリーの家族長が、双方それぞれの後見人となり、当日は、ミカエルさん、カタバルキさん、それぞれの後見人の4人が、集まった両家の親戚の前に立ち、簡単な挨拶のあと、儀式が厳かに始まります。

ミカエルさんの後見人が、1粒のゆでコーヒーの実を手にとり、薄皮を剥いて2つの種子を取り出し、1粒ずつをそれそれの後見人が持ちます。そして、後見人は、ミカエルさんとカタバルキさんの臍をナイフで傷つけ、その血をコーヒーの実につけます。そして、ミカエルさんの臍の血がついた実を、カタバルキさんが食べ、カタバルキさんの臍の血のついたコーヒーの実をミカエルさんが食べる。

これで、ミカエルさんとカタバルキさんは同じ血を分けた兄弟ということになり、めでたく兄弟と認めら、その時からミカエル家とカタバルキ家は親戚となったということでした。

もちろんこの儀式の後には、互いの家族一同で、飲めや歌えの宴会が続くのは、誰にでも想像がつくでしょう。

酒はもちろんバナナ酒「ルビシ(便り25)」、両家競ってこの日のために特製ルビシをたんまり用意し、青年たちはこぞって自慢の太鼓の手入れにいそしみ、契りの儀式に披露するのを楽しみに待つものなんですって。

日本では兄弟の杯を交わした後は、より親戚としての絆を深めるため、両家の娘、息子を結婚させるというパターンが多いですが、ブコバの兄弟の間で、それはタブーとされています。

彼らは、本当に同じ胎から生まれた兄弟となったのだから、その子供たちが結婚できないのはあたりまえとのこと。
「兄弟の杯を交わしておいて、子供同士を結婚させるのはけしからん!」とブコバの人に言われてしまいそうなので、日本の慣習のことは黙っておきました。

私が聞いた範囲では、70代のミカエルさん、ガリヤタノさんをはじめ、この兄弟儀式を経験している年代は年配の人に多く、40代より年齢が下がると、「親父はやったけど自分はやっていない。昔の慣習さ」「いまどき臍を切るなんて時代遅れだよ」という人が多かったです。



しかし、自分の経験を話してくれた人たちは、自分に血を分けた兄弟があることを、とても誇りに思っている様子で、メツォードさん(53歳)の
「俺は長年の友達ヘルネストとコーヒーを交わしたよ。俺とヘルネストは、今も助け合っている。ブコバの男たちは、こうやってファミリーを大きくしてきたんだ」
と胸を張って話す姿が印象的でした。

ということで、コーヒー豆には必ず、生まれた時に、対となっていたもう一粒のかたわれがあるはずなんですよ。

一度、コーヒー豆を手にとって、じっくり見てみてくださいね。コーヒー豆の真ん中にすっと入った一筋の線、それが、1つの殻の中で、薄皮を挟んで2つが互いに向き合って、ぴったり寄り添いながら入っていた頃の名残です。

そういったコーヒーの実の形状を、人間の姿として捉え、自分の本当の同胞を見つけ、契りを交わし、本物の家族としてつきあっていく・・・昔々からコーヒーを土地の宝物として大切にしながら、コーヒーの実を食べ続けてきたブコバの人々ならではの伝統だなあと、とても感動しました。

ということで、今回は、ブコバに代々伝わる兄弟の契りの儀式についてご紹介しました。
それでは今日はこのへんで。

末筆ながら、2003年が、皆様にとって素晴らしい1年となりますことと、世界中の人々の幸福を、ザンジバルの真っ青な空の下よりお祈り申し上げます。
GOOD LUCK!!

ムナワルより


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