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TANZANIA便り 2003.7+8

*この便りはトロワ・タンザニアのMUNAWARさんからのものです。
MUNAWARさんはザンジバルに住む30代の女性です。MUNAWARさんへのメールは
こちらまで


便り59 「サバサバ柔道杯2003」(2003.7.21)
便り60.「ブコバのコーヒー栽培とアグロフォレストリー」(2003.8.5)


便り59 「サバサバ柔道杯2003」



ジャンボ!
アフリカフェフレンドの皆さん、お元気ですか?
ザンジバルは、朝晩の涼しさとともにオレンジも甘くなり、・・・と書きたいところですが、今年は雨季に雨が少なかった影響で、オレンジがすっぱい! 少ない! 高い! という現象がおきており、なかなか例年のような、甘くておいしいオレンジにあたりません。

ところで、私たちは、今年もサバサバに行ってきました。
日本の七夕、7月7日は、タンザニアの商業祭。数字の7のスワヒリ語読み「サバ」を重ねて「サバ・サバ」の日として定着しており、毎年7月7日を挟んだ10日間にわたって、ダル・エス・サラーム郊外にあるサバサバ会場で、国際貿易フェアが開かれています。

このサバサバは、16万平方メートルの会場に各国、各社のパビリオンが立ち並び、国中から何万人もが訪れるというタンザニア最大規模のイベントでもあり、もちろんアフリカフェも毎年恒例で、出展されています。

アフリカフェは、今年もサバサバホールの一角に展示されており、「巨大アフリカフェ張りぼて」の上に、金色ボディのアフリカフェが山積みにされており、試飲サービスもやっていて、大いに賑わっていました。

サバサバでは、食品展示部門、外国ブース部門などに分かれて、それぞれ展示内容を競い合っているのですが、アフリカフェのブースは、食品展示部門で、堂々2位に輝きました。去年は3位で、今年は2位ときたので、来年は、ぜひ食品部門1位になってほしいものです。

ところで、このサバサバは、商品の展示だけではなく、各国の文化の紹介や、タンザニアにある各団体の活動や、研究発表の場でもあります。
日本からは、日本大使館主催で、今年も柔道大会、『JAPAN JUDO CUP---SABASABA2003』が催されました。

この日本大使館主催サバサバ柔道杯は、日本文化としての柔道を紹介することと、タンザニア国内の柔道家たちが揃って技を競う機会を作るという目的で、2000年から続いている大会で、「柔よく剛を制す」、「自他共栄」、「精力善用」といった柔道精神も含めて、タンザニアの人々に紹介する意味で、毎年無差別で試合が行われています。

今年は、モシ警察チームとアリューシャチームが、練習不足を理由に不参加を表明したため、国内すべてのチームが一堂に集まることができなかったのは残念でしたが、7月4日に、ザンジバル14人、ダルエスサラーム17人、合計31名でトーナメント戦が行われました。



結果は、ベスト8のうち7人がザンジバル選手という試合展開となり、1位から4位まですべてザンジバルが独占する結果になりました。

1位は、1998年に日本への黒帯留学をしたことのあるアブダラ選手(81kg)が初優勝を飾りました。アブダラ選手は、国内柔道大会で何度も優勝しているベテランですが、サバサバ柔道杯だけは、まだ優勝がありませんでした。

アブダラ選手は、
「やっと念願のサバサバチャンピオンになることができました!」
と優勝カップを手に、大いに喜んでいました。

2位は、小柄な体で、「柔よく剛を制す」を地でいく、去年のサバサバチャンピオン、アリ・ジュマ選手(60kg)

彼の本職は、大工さんなのですが、仕事が忙しくて、練習の終盤になって飛び込んでくることもしばしば。でも、手や顔がセメントだらけのままだったりして、彼が、仕事場から直接道場に来ていることは一目瞭然なので、誰も文句は言えません。

ところで、このアリ・ジュマ選手は、6月22日に結婚したばかりの新婚さん。
「サバサバで連続優勝を果たし、優勝カップを新妻に持ち帰る」と約束してザンジバルを出てきたそうですが、残念ながら準優勝にとどまりました。

でも、そのかわりに、ダルエスサラームからの帰りには、トマト、ジャガイモ、玉ねぎ、牛肉など、新妻用の現実的なおみやげをたくさん買い込んで、「お前も、所帯持ちになったなあ」と、みんなから冷やかされていました。

3位は、5月にアリ・ジュマ選手と共に、モーリシャス国際柔道大会に出場し、波に乗っているハマディ・シャーメ選手(73kg)。そして、4位は、去年のサバサバで2位だった寝技の鬼、イディ選手(66kg)と続きました。

この上位4人と、準々決勝でアブダラ選手に負け、ベスト4入りを逃した93kgのハッジ・ハッサン選手の5人は、タンザニア選抜メンバーとして、7月18日から6週間にわたるザンビア、ジンバブエ、南アフリカのサーキットトレーニングに行くことが決まっています。


島岡コーチによれば、
「この5人が、今回の3カ国への遠征でもまれる中で、国際試合にも通用する選手として育って帰ることができれば、今後のタンザニア柔道界全体のレベルアップにつなげることができるだろう」
とのこと。

私も、マネージャーとしてこの遠征に同行するのですが、選手5人との陸路での3カ国遠征の旅は、どんな珍道中になることやら。でも、大いに楽しみでもあります。

それでは、今日はこの辺で。次回の便りまでお元気で。
GOOD LUCK!!
ムナワルより


便り60.「ブコバのコーヒー栽培とアグロフォレストリー」



アフリカフェフレンドの皆さん、お元気ですか?
このところ、タンザニア便りでは、柔道の話題が続いたので、今回は、コーヒー栽培について、書いてみようと思います。

コーヒー栽培と一口にいっても、地球の真ん中をぐるりと一巻きしているコーヒーベルト地帯では、コーヒーの品種、国、土地など違った環境や条件の中で、さまざまなコーヒー栽培が行われています。

今日は、アフリカフェの故郷ブコバで行われているコーヒー栽培の様子と、再生、持続可能な農業、アグロフォレストリーという考え方を絡めながらお伝えしましょう。

この「アグロフォレストリー(Agroforestry)」とは、「農業(アグリカルチャー=Agriculture)」と「林業(フォレストリー=Forestry)」、この2つを合成した言葉です。

森林の持つ土壌体系を保ち、土地の持つ自然再生能力を損なわないような永続可能な農業体系、これが、アグロフォレストリー・システムという考え方なのですが、これは、単に無農薬、無化学肥料で作物を育てる有機栽培よりもさらに一歩前へ踏み出し、農業をしながら、自然の生態系も森林をも破壊せず、常に土地を自力再生させながら地球全体の環境保全につなげるすばらしいシステムです。

このアグロフォレストリー・システムは、近年になって見直され、破壊された土壌再生や、森林を守る目的で、各国で導入され始めていますが、アフリカフェの故郷ブコバの人々は、この自然環境保全システムであるアグロフォレストリーを、誰に教わることなく、代々実行してきました

アフリカフェの故郷ブコバのコーヒー農園は、大規模でなく、小規模農園の集合体。そこでは、コーヒーの木だけではなく、バナナをシャドーツリー(日陰用の木)にする日陰栽培が行われています。

そして、ここブコバの農園では、コーヒーとバナナだけではなく、芋、豆、果樹などが雑多に混栽されているのが特徴です。

従来、コーヒーはデリケートな植物なので、ブコバのように、適度な日陰の下で育てる日陰栽培(シェードシステム)が主でしたが、収穫の多さと速さを突き詰めた結果、森林を伐採して切り開いた土地に、機械化に邪魔な日陰樹を植えず、太陽をさえぎるものが何もない状態でコーヒーの単一栽培をする「サンコーヒー」と呼ばれる栽培法に走ったところも多くあります。

同じ土壌で、単一作物だけを栽培し続けると、根の届く範囲が一定してしまうので、どうしても土壌から偏った養分吸収をすることになります。それを続けると土壌が傷み、それを補うためにも化学肥料や農薬が大量に必要となってきます。

しかし、ブコバのように、同じ土壌に一度に複数の作物や樹木を混栽していれば、土壌の中で、それぞれが違った深さで根を張り合うので、土壌内での自然な体系が崩れず、養分循環機能も保たれるというわけです。

しかも、単一栽培では、一度病気や害虫がつくと一気に飛び火しがちですが、さまざまな植物や多くの木々が混栽されていれば、それぞれ罹る病気や害虫が違うので、互いに広がるのを防ぎあうバリアのような役目も果たします。



ブコバの農園は、家と畑が直結している屋敷畑(ハヤ語で「キバンジャ」)なので、少し離れたところから見ると、まるで森の中に家があるようにみえます。

そして、農園に入ると、コーヒー、バナナのほかに、とうがらしに豆、キャッサバ芋にとうもろこし、パパイアにオレンジ、はてには怪我をしたときに使う薬草や薬木まで、いろいろな作物や樹木が、うまく土地を生かして植えられています。

どの畑も、私の目には植物園のように映るほどあれこれ植わっているので、ブコバの農園は、歩いているだけで楽しくなってきます。

私には、ごちゃごちゃに植えてあるように見える農園ですが、ブコバの人にいわせれば、ちゃんと年間計画がたてられていて、季節によって作業手順もきちんと決まっているのだそうです。

ブコバでは、こうやって土地を有効に利用しながら、あれこれ混作することで、換金作物としてのコーヒーを栽培するだけでなく、自分の家で食べる食料を確保すると同時に、実は環境保全もしているというわけです。

その上、ブコバの人々は、土地の再生循環に必要な栄養補給に、せっせと農園中にエレファントグラスの干草を敷き詰め、牛糞や落ち葉などで作った天然の堆肥を撒くことを欠かしません。農園には牛が歩く小道もあり、子供達が牛の糞を大切そうに拾い集める姿も見られます。

こういった観点からも、ブコバのコーヒー栽培方法は、自然生態系や環境を守りながら永続できる理想的なアグロフォレストリー・システムそのものといえるでしょう。

ブコバでは、人々が、いろいろな苗木を植えている光景が、日常的に見られます。

私が住むザンジバルでも、木を植えるのは、ごく日常の光景で、子供が生まれるたびに、オレンジ、ココナッツ、レモン、マンゴー、アボガド・・・と植えているハミシィさんからは、季節ごとの果物が届きます。

毎年決まった季節になると、故郷のペンバ島に、木を植えに帰る香辛料屋のモハメッドおじいちゃんは、「わしがいなくなっても、ペンバの木は残るのさ」が口癖です。

こういった植林に対する積極性は、ダル・エス・サラームなどの大都市にある会社内のちょっとしたスペースにも、「何年、誰々によって植えられた木」という札がぶら下がった木があるのを見ても、感じます。

これは、かつて、「1本伐ったら3本植えよ」と教えた、初代ニエレレ大統領の精神が、今もタンザニアの人々に受け継がれているからなのかもしれません。

日本でも、農産物と樹木を混生させるような考えは、昔からあったでしょうし、植林の大切さ、自然破壊をしない農法を求める気持ちは誰しも同じだと思います。しかし、いつからか資源開発とハイテク産業が主流となり、環境問題は、後手後手になって浮上しています。

しかし、もうすでに、一人一人が身近なところから自然と人間の共存を考えていくと同時に、地球規模でのそれを、みんなで考えねばならない時代が来ていると思います。

そういう意味でも、アフリカフェの故郷ブコバで代々行われている、コーヒー栽培システム(バナナとの日陰栽培とともに、さまざまな樹木作物との混作、そして、牛糞や干草から作る堆肥を撒く栽培法)は、自然と調和した持続可能な社会を目指すにあたって、1つの指針となるうる見事なアグロフォレストリー・システムだと思い、日本の皆様にご紹介する次第です。

ということで、今日は、ブコバのコーヒー栽培法について、書いてみました。
それでは、次回までお元気で。
GOOD LUCK!!
ムナワルより

P.S アグロフォレストリーの定義に関しては、内村悦三氏の「実践的アグロフォレストリー・システム」http://www.jifpro.or.jp/5promotion/texts.htmlで購入可能)を参考にしました。



NO.1「ジャンボ!」(2000.4.15)
NO.2「タンザニアのゴールデンウィークは大雨期の真っ最中」(2000.5.10)
NO.3 「ジャンボ、ベイビー! (こんにちは、赤ちゃん)」(2000.5.18)
NO.4「カンガ(布)は語る」(2000.5.25)
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No.28「JETROブースにて」(2001.4.17)
N0.29「ミスター 2ボトルを偲んで」(2001.5.4)
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No.31「人気テレビ番組は『おしん』」(2001.6.5)
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No.33「自警団、その名はスングスング」(2001.7.3)
No.34「幻のサバサバ柔道杯2001」(2001.7.17)
No.35 「ブコバのコーヒー農園2001」(2001.8.4)
No.36「バナナ・ア・ラ・カルト」(2001.9.3)
No.37「ブコバ特産、干草製床用カーペット」(2001.9.17)
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No.39「ザンジバルの建設現場風景」(2001.11.3)
No.40「ブコバの珈琲文化 1.ゆでコーヒーの実」(2001.12.3)
No.41「ブコバの珈琲文化2.生活篇」(2002.1.9)
No.42 「タンザニアの薬木代表、ムアルバイネ」(2002.2.3)
No.43「マンゴーを食べよう!」(2002.3.3)
No.44「マンゴーの木に登ろう!」(2002.3.28)
No.45「ザンジバル武道館完成」(2002.4.17)
No.46「ザンジバル武道館落成式」(2002.5.3)
No.47「サファリに行こう!」(2002.5.17)
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No.49「サバサバに行こう!」(2002.7.20)
No.50「コモンウェルス大会―マンチェスター2002」(2002.8.17)
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